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第5話(前編)

ホムンクルスは、ケガしても大抵の傷はきれいに治る。
だけど、ホムンクルスになる前の傷は消えない。

消えないな・・・・。

まあ、いいけど。

外に出ることつもりもないし。
手首の傷の痕は、ボクがまだここにいる証。



ハヤテが廃墟に入って行っちゃったので、あわてて追いかけるヒスイ。

ヒス(ハヤテがくろちゃんに会っちゃったらどうしよう・・・;;)



ハヤ(この扉の中・・・かな)「失礼しまーす・・・」

扉を開けて、誰もいないと思いきや、自分と同じくらいの大きさで漆黒の髪を持つ、椅子に座ったまま寝ている少年を発見。
興味本意で近寄ってみて、覗き込んでみる。

急に少年が目を覚まして、目があった!!(至近距離15センチ)

ハヤ(起こしちゃったかな・・・)←後退。

少年「・・・はぁ。また寝ちゃった。ダメだなあ、半分ネコだと1日中眠くってしかたないや。」
ハヤ(キスするとネコになるんだきっと。東京ミュウミ○ウみたいに。・・・ていうか帰りたい・・・!!なんでオレこんなとこに!)
少年「・・・珍しくお客さんかと思ったら・・・・はじめまして、だね。」
ハヤ「・・・・・・。」
少年「何もしないから安心してよ。まあ、君がおとなしくしてくれてたら、だけど。」
ハヤ「なんで初対面の奴にそんなこと言われなきゃならないワケ?・・・呼ばれた気がしたから、わざわざ来たのになー・・・・。」
少年「は?ボクは呼んでないよ。」
ハヤ「あ、そう。うん、じゃあもういいね。オレ帰るわ。」
少年「帰るの?」
ハヤ「だって別に用ないだろ?帰らせてよ。疲れてるんだ。」

少年が強風をおこす!!

ハヤ「ぅわーー!何すんの!びっくりしたー!!」
少年「帰らないでよ。君はここで死ぬ予定なんだから。」
ハヤ「・・・・?ここに来たからにはタダじゃ帰さないってこと、ですか。いいよ、オレに何かしたら3枚おろしにしてやる。天才料理少年ナメんなよ。」

師匠のところで練習したように、炎属性の錬金術で包丁を剣に変形させる。

少年(あれ・・・?炎属性・・・なんで?)
ハヤ「で、おまえ誰?」
少年「・・・・名乗りたいような名前はないかも。なんでもいいよ。」
ハヤ「なんだそれは;じゃあ、髪が黒いからクロちゃん決定な。」
クロ「いいけど。みんなにもそう呼ばれてるし。」
ハヤ「え、じゃあクロちゃんじゃつまらないよな。他にもっとなんか・・・地獄少年とか」
クロ「いいよクロでいいよ。」
ハヤ「親御さんがつけてくれた名前は大事にしなきゃダメだよ。でもオレ父親には会ったことないんだけどね。なんか研究者らしいよ。クロちゃんは・・・」(早く帰って寝たいので、ケンカにならないように努めてる。)
クロ「っ・・・!!あいつのコトは・・・二度とボクの前では口にするな!!勝手にこんな体にして!人の気持ちも知らないでっ・・・!!」

と、ハヤテさんに急につかみかかる。
でも、その手には体温がなかった。

ハヤ「・・・もしかしなくても・・・おまえホムンクルス・・・?」
クロ「・・・もしかしなくても・・・ボクはホムンクルスだよ。それだけならまだいい。キメラって知ってる?」
ハヤ「あっと・・・あの動物と人間が半々のやつ?ていうか人の父親をあんな奴扱いか(笑)いいけど。」
クロ「ボクは、研究所で君の父親にキメラにされ、死んだら今度はホムンクルスにされた。」
ハヤ「・・・・ごめん。オレよくわかんないや。マジで父親のことはなんも知らないし。わかったよもう言わないよ」
クロ「でも君、よくボクがホムンクルスってわかったね。あ、ヒスイに会ったからか。」
ハヤ「・・・!」
クロ「ボクは君のことならなんでもわかる。ここに来ることも、ね。」
ハヤ「やっぱりヒスイもホムンクルスなのか?!ていうか、おまえなんでヒスイ知ってんだよ!?」
クロ「・・・ヒスイは、ホムンクルスじゃない。ミッシングリンクなんだ。」
ハヤ「み?あ、なんかアルカスさんに聞いたことあるような」
クロ「失敗作ホムンクルスとでも言ったほうがいいかな。失敗作の賢者の石を使ってホムンクルスの錬成をすると、ミッシングリンクになる。」
ハヤ「・・・オレが?賢者の石つくったらしくって?え、オレそれ失敗したってこと?」
クロ「君の場合は、錬金術の能力が異常に高いのが原因だろうね。」
ハヤ「うそ!?なんだそれ!!」
クロ「自分のことくらい自分が一番わかっててよ・・・。結局ボクの方が君のこと知ってるじゃないか」
ハヤ「でもオレそんな能力いらないよ。3年後に自分の店もって料理人として成功するんだから。」
クロ「能力が高すぎるから、君の体ではそれがまだ支えきれないんだ。だから賢者の石とかすごい錬金術を使おうとすると、能力が暴走してコントロールが効かなくなる。それが原因じゃないんだったら、君のヒスイに死んで欲しくないって気持ちが、偽りだったってことじゃない?」

それを聞いて、ハヤテはクロたんを殴ってしまう。
クロ「・・・・遠慮ないね。」
ハヤ「いいかげんにしろ!!おまえなんかに何がわかる!オレは・・・!ただ・・・・」

ただ・・・ずっと一緒にいたかっただけ、でしょ。わかりたくないのに、嫌でも伝わってくる。君の気持ちも、考えてることも。

クロ「冗談だよ。でも、そういうのすごくウザい。」

愛するのも愛されるのも、ボクにはずっと縁のない話。



ハヤテの怒鳴り声がクロの部屋のほうから聞こえたので、ヒスイが慌てて駆けつけてくる。

なんかその微妙な愛っぽい光景に余計に腹がたったのか、クロたん、いきなりハヤテのみぞおちに膝蹴り!!(最低!!)ヒスイはびっくりして硬直!!

クロ「そうだ、言っとくの忘れてた。さっき死んでもらうって言ったけど、楽には殺してあげない。だって、せっかくここに来たのにただ死んでもらうのはつまらないじゃない。」
ハヤ「・・・・・・っ」
クロ「・・・あ、ヒスイに殺してもらおっか。」
ヒス「?!」
クロ「知ってるでしょ?ミッシングリンクは、自分を造った人を自分の手で殺すことでホムンクルスになれるんだ。」
ハヤ「・・・・何言ってんだよ・・・ヒスイ嫌がってるじゃん・・・」
クロ「君たち、このままずっと会わないほうが幸せだったのかもね。」
ヒス「え・・・?」
クロ「・・・ミッシングリンクは本当に寿命が短いから。だからヒスイだって、いつ死ぬかわからないじゃない。」
ハヤ「・・・なんでクロちゃんはそんなにオレのこと嫌いなワケ?」
クロ「・・・君の代わりに10年以上研究所で飼われた、君のクローンだから。」
ハヤ「クローン・・・・。・・・・・。・・・・・は?!似てねえええ!!!ってか何それ!?そんなのいたなんて知らないよ!!オレは生まれたときは双子だったんだーって話は聞いたことあるけどクローンは知らねえよ!ていうかもしかしておまえがオレの双子の弟?!」
ヒス(なんとなく似てるとは思ってたけど・・・そうだったんだ;)
クロ「双子?知らないよそんなの。でも、本来は君も研究所に束縛されるべきだったのにね。博士・・・ボクたちの父親は、理由はわからないけど、錬金術の能力が特別に高い子がほしかったんだ。だから生まれる前の自分の息子に、そういう薬を投与した。」
ハヤ「・・・!じゃあ・・・あの・・・まさか兄さんも・・・?」
クロ「うん。だけど薬があんまり適合しなかったんじゃない?2人目の君で初成功って言ってたからね。」
ハヤ「・・・だったらマジでクロちゃんなんか造らなくてもオレでよかったんじゃないの」
クロ「そう、出来ることならボクだって存在していたくなかったよ。でもきっと博士の好奇心だろうね。生まれつき能力が高くなるように設定した息子の遺伝子と、黒猫の遺伝子を合わせてクローンをつくるっていうのは」


ボクは12年間、研究対象のキメラとして、誰にも見つからないように研究所で育てられた。
外に出たことなんてなかった。
でもそれが普通だと思ってたから、何も疑問には思わなかった。
だけどある日、偶然研究所のそばで楽しそうに遊んでる君を見た。
そのときに初めて君の存在と、自分が人間じゃないことを知った。
正直、最初は君が羨ましかった。
いつも君のことばかり考えてた。
そのうちこんな風に思うようになった。
「どうしてボクだけが?」
考えれば考えるだけ辛くなって、ボクは何度も死のうとした。
だけど、研究所の人たちが死なせてくれなかった。

クロ「それでボクは研究対象のためにずっと生かされてたんだけど、もともと人間じゃなかったからか、12年しかもたなかったんだけど、今度は不老不死のホムンクルスにされちゃった。」
ハヤ「・・・・なんか不幸だな。」
クロ「・・・と、まあ、こんな話ばっかりじゃアレだから、君がどうしてなかなか大きくならないか教えてあげようか」
ハヤ「マジで?!」
クロ「それも、能力を高める薬の副作用だね。その薬が君の成長に関わる分野に何か副作用が出ちゃったんだ。君のお兄さんもそんなに大きい人じゃないでしょ。」
ハヤ「だからクロちゃんもオレと同じ大きさなんだ?でもさ、ホムンクルスって不老なんだろ?クロちゃんて明らかにオレくらいじゃない?」
クロ「ボクは特別。君が生きている限りは君に合わせて成長する・・・みたいだよ」
ハヤ「・・・じゃあ、クロちゃん大きくなりたいならオレのこと殺さないでよ;」
クロ(不死じゃないならとっくに死んでるようなボクが大きくなりたいとかそんなのあるわけないでしょ。)
ハヤ「おまえがどんな風に生きてきたのかは全然知らないけどさ、簡単にそういうこと言うなよ・・・」
ヒス「え?」
ハヤ「ん?」
クロ「・・・キタね?」
ハヤ「・・・キタ!」
クロ「これくらいの至近距離なら、心がシンクロする・・・時がある。今わかったんだけど。」
ハヤ「・・・おまえがもともとはオレだから・・・?」
クロ「そういうことかな。ちなみにボクが死んでホムンクルスとして博士に生き返らされたら、君の記憶や思い出も全部、ボクに流れ込んできた。だから余計に君がウザくなった。」
ハヤ「だからってやつあたりすんなよ・・・マジやめてよネチっこいのダメ。」
クロ「もうひとつ、大事なこと教えておいてあげなきゃね。」
ハヤ「何?もう何言われてもこわくないかも。」
クロ「君はあと2年ももたない」
ハヤ「・・・・・・?!」
ヒス「やだ・・・!変なこと言わないでよ!」
クロ「ヒスイと同じ時期が死に時じゃない?よかったねv」
ハヤ「・・・・なんで・・・」
クロ「君が賢者の石を錬成したからだね。自分の命を生贄にして。馬鹿だね。だから本当はボクが手を下すまでもないんだけどね。もともとここで死んでもらうんならヒスイに殺してもらうつもりだったし。その影響で最近体調悪かったりしない?」

クロ「料理の・・・自分の店持てるのって18歳からだったっけ。残念だったね。あと一歩、夢に届かなくって。ボクは今度こそ人間になる。そのために賢者の石が必要なんだ。だから、いずれかはボクかヒスイが君を殺すことにはなるね。」

この世界に二人のボクはいらない

ボクはずっと闇と言われ続けてきた

光が消えないと闇は出られない

だから光で出来た賢者の石で人間になることが出来たら、今度こそーーーー。



後編につづく。
クロたんはこれくらい黒い方がクロっぽいね。(え?)
ていうか、クロたんすごいおしゃべりさんだよね、この話。
ってか、マンガのほうだと、お二人さんもう少し暴れてます。
文章に出来なかっただけで・・・・。
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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

水上なぎさ

Author:水上なぎさ
・高校の頃にノートで描いてたマンガを今サラ文章化して連載中。
・文章能力はない。
・漢字検定は2級を持っている。
・今は頭の中だけ好評連載中。
・主人公のハヤテが最近筋金入りの変態に思えてきてならない。

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